[人間中心デザイン] 人間中心デザイン入門

産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」の講義メモ

平成30年度 人間中心デザイン | 🍙黒ごまのおむすび
「平成30年度 人間中心デザイン」の記事一覧です。

随時加筆修正していきます


人間中心デザイン入門 第2回~4回
2018/10/06(土) 3,4,5限


もくじ

「利用状況」

  • 人間中心デザインの根本
  • End Usesrの現状と環境の把握が課題
  • 使う人(人でなくても良いのでは?)の気持ちになって考えることが必要

ビデオ(「CBSドキュメント:国境警備のお粗末」国境警備のシステムを作るときに遅延があった上全く新しいシステムを導入することになったドキュメンタリー)を観て、考察

  • Q. なぜ、使えないシステムになったと思うか?
    • 個人的意見
      「急ぎすぎていた」
      → “何が問題”で”なんのために作るのか”が明確になっていなかった
  • A. 利用状況 “Context of Use” を把握できていなかった
     … どのようにシステムを使う状況にあるのか

人間中心デザインの歴史的背景

1. ユーザーと作り手の関係の歴史的変化

  • 古代
    作り手とユーザーが近かった
  • 近世
    作り手とユーザーの間に市場が介在する
  • 近現代
    産業革命によって作り手とユーザーが離れた

2. 人と道具のインタフェースの歴史的変化 [P.10]

  • 認知的人工物(コンピュータ)へ進展
    • 人の認知機能を前提としたモノ
    • このインターフェースを「認知的インターフェース」という
人間工学 = エルゴノミクス(ヨーロッパ)
  • 人間中心設計の基本となる学問
  • 労働科学的研究をベースに、疲れずに快適に作業するための環境を研究する学問
ヒューマンファクタ
  • 利益中心のプロダクトに人間が合わせるようになっていたため、事故が多発していた
  • 人間が機械を使用するための信頼性や安全性を向上するための科学的管理法の学問
  • 生産性向上のための人間研究に力が注がれることになった

3. 道具が社会に及ぼす影響力の変化

  • 日本郵政とペリカン便の統合
    • システム統合後、ちょっとした操作ミスで荷物の配達が全国的に4日遅延
  • 全日空
    • 他の機体のボタンと位置を間違えてオートパイロットが解除され、背面飛行

→ 人間の特性とヒューマンエラー

人間中心というデザインの哲学 [P.11]

  • 作り手(UX)と使い手(UXD)は違う

二次的理解に基づくデザインとしての人間中心デザイン

  • 使い手
    ユーザーが人工物を使って、人工物を理解する
  • 作り手
    リサーチで調査する
    →ユーザーが考えていることを考えながら作る = 二次的理解

    • 様々な役割の人が二次的理解をすると、認識にずれが生じてしまう

→限界がある

人間中心設計

ISO9241-210 (2010年~)

  • ISO9241 … 人間工学のISO
  • UXの定義を取り入れた規格

人間中心設計 [P.84]

インタラクティブシステムをより使えるものにすることを目的としたシステム開発アプローチ
※「使いやすい」では収まらない

アクセシビリティ

(インタラクティブシステム)能力に最も幅がある人々にとっての製品、サービス、環境または施設のユーザビリティ(ISO9241-171)

ユーザビリティ

あるシステム、製品またはサービスが、指定されたユーザーによって指定された利用状況下で、指定された目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率及び満足度の度合い(ISO9241-11)

  • アクセシビリティ > ユーザビリティ
    様々な障害に対応して個々のユーザビリティを高めることで、アクセシビリティを向上する

人間中心設計プロセス 4つの重要なアクティビティ(活動) [P.85]

プロセスをを回すことで完成度を高めていくプロセス(反復設計)

  • 人間中心設計プロセスの計画
  • 利用状況の把握及び明示(調べる)
  • ユーザー要求事項の明示(企画する)
  • ユーザー要求事項を満たす設計案の作成(設計する・作る)
  • 要求事項に対する設計の評価(確かめる)
    • 設計案がユーザーの要求事項を満たす

それぞれのフェーズに移行する部分に経験を要する
実務ではこのプロセスをまわすことが重要 [P.89]

人間中心設計 6つの原則 [P.86]

人間中心設計の目的は、設計プロセスを通じてUXを乳分考慮することにより良いUXの質を達成すること
1. ユーザー、タスク及び環境の明確な理解に基づいて設計す
る
2. 設計及び開発の全体を通してユーザーが関与する
3. ユーザー中心の評価に基づいて設計を方向付け,改良する
→ユーザー中心…ユーザーを直接巻き込まないこともある(→ユーザーの考えを理解して実施する)
4. プロセスを繰り返す
5. ユーザーエクスペリエンスを考慮して設計する
6. 設計チームに様々な専門分野の技能及び視点をもつ人々が
いる

Contextual Design (1997å¹´)

  • 「コンテキスト」を中心にユーザー起点で業務デザインを考えるときの方法論
  • 人間中心デザインもこの考え方から取り入れられているアイデアがある

UI設計の原則 (ISO9241-110) [P.102]

「対話の原則」として、設計時に考慮すべき推奨事項の7原則。

シュナイダーマン「8つの黄金律」[P.101]

海外では一般的でベースとなっている本に記載されている8原則。
改定が頻繁に行われる。

ユーザーエクスペリエンスの基礎 [P.2]

正式名称 主体
UX user experience 使い手
UXD user experience design 作り手
  • サービス経済の時代から経験経済の時代へ [P.5 / SlideShare]
    → 体験 に価値が見いだされた

    • スターバックス
    • バルミューダ
      • Webサイトに対象の商品(完成品)の写真がたくさん出てくる

UXデザインによるビジネス成功例の増加

  • 総合的なビジネス展開の主軸としてUXデザインを置く ことが重要
    • プロダクトのUXデザインだけでは不十分
  • 例 : 全国TAXI
    • 全国の「端的な観光地」を広告として使用している
    • ペルソナが普段のサラリーマンではなく、手掛かり・経験がない土地に訪れている人となっている

UXとは何か

  • 製品、システム又はサービスの使用及び/又は使用を想定したことにより生じる個人の知覚及び反応
    • UXとは、使い手の反応
        ※ 時間的感覚、他様々な要因(システム性能、ユーザーの状態、経験…)によって変わる
      → 時間の観点をとらえることが重要 [P.55 参考:UX白書]

現象としてのUX

  1. 予期的UX
    経験を予想する
  2. 瞬間的UX
    経験する
  3. エピソード的UX
    経験を内省する
  4. 累積的UX
    今までの経験を回想する

例 : お化け屋敷
(1.楽しみだなぁ → 2.きゃー → 3.怖かったけど楽しかったね → 4.また行こう)

ユーザーエクスペリエンスの期間

  • UXについて議論したりするときには 対象とする期間を明確にする ことが重要
    • 期間によって内的プロセスが違うため、UXそのものが異なる
  • 知覚・認知・認識
    • 知覚 みる・きく
    • 認知 知覚から得たものを過去の記憶をもとに理解する
    • 認識 認知から価値判断を行う
      →行動に移す

ユーザー体験(UX)とは

  • ユーザーの体験価値 ←(ユーザビリティ)→ モノの利用品質
    • ユーザビリティ … 測定しにくい。満足度←→不快に思うかどうかが一指標
      • 主観的ユーザビリティ
        ユーザーが使用した時に感じる使用感
      • ユーザビリティ
        モノの使用方法
    • 本当のユーザーはどう利用するかを明確に理解することが必要

インダストリアル・デザインとしてのUXD

  • UX
    • 体験そのものはユーザーの個人的なもの
  • UDX
    • どんな体験をしてもらうか計画すること
    • 体験が量産・再生産される仕組みを作ること

身の回りにあるUX

  • いいUXを作るためには、自分の体験をUXとして分析する

  • 実利用体験では、客観的な操作の達成度に関係なく、製品利用のモチベーションが強く影響
    → 客観的にみると機能を使いこなしていなくても、ユーザーが満足することはある

    • インタラクティブ製品の評価は、ユーザーの利用意欲(下記の2つ)に左右される [P.61]
      • 興味・知識
      • 自信効力感
    • 意欲 という観点でとらえ、製品の利用経験を高めることに導く発想が重要

体験をデザインするとは

  • 制作物のデザインを工夫する

UXデザインの大きな特徴(技法)

  • ユーザーの主観的体験をユーザーモデリングという技法を活用してデザインの俎上にのせる
    • 人によってゴールがばらつくことを前提として考える
    • ゴールを分類して整理する(→ペルソナ)
    • 体験の本質を見極めてモデルを作る