[人間中心デザイン] UXデザイン論 (UXデザインの教科書 3章)

産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」の講義メモ

平成30年度 人間中心デザイン | 🍙黒ごまのおむすび
「平成30年度 人間中心デザイン」の記事一覧です。

随時加筆修正していきます


3章 プロセス
2018/10/12(金) 6,7限
2018/10/13(土) 2,3,4,5限


ワークショップ

まずはじめに、10/12(金)に、4人グループになり、
分担して3章の節を15分で読み、メンバーに15分で説明するグループワークを実施。

限られた時間で読んで、限られた時間でアウトプットとして人に説明するのは、なかなか難しかった🤔

3.1. 利用文脈とユーザー体験の把握

新規の体験価値の探索のために、対象行為を観察する。
ユーザーの利用文脈や体験価値に基づいた製品づくりを行うためのデザイン行為の一部。

※価値 … 動詞的価値
例
×「かっこいい時計の価値」
◯「かっこいい時計を自慢できる価値」

目的

  • デザイン対象のユーザーの行為を把握する
    • 利用文脈における行為の実態や状況を調査
  • ユーザーの体験価値や本質的ニーズに迫れるよう、文化的・心理的な背景まで含んだ情報を収集する

アウトプット

  • 調査計画書
  • ユーザー調査の結果(ローデータ)

手法

調査法

ユーザーの感情・意見・態度・価値観を知る
  • アンケート

  • インタビュー

    • 臨床心理的技法
      脳内メーカーみたいな
    • 利用年表共作法
      • 描画フォーカシング
        来談者中心療法
    • 注意点
      現場の人は下記の両者に寄りがち

      • 「想い」考えに至った経緯や必要性を聞いてみる
      • 「都合」環境や仕組みの課題を聞いてみる
        「我慢」「諦め」「補完」
        → できていないこと にこそ目を向けるべき価値がある
    • 参考
      ユーザーインタビューの教科書、ユーザーインタビューを始めよう
  • フォーカスグループ

  • フォトエッセイ
    テーマに沿って深く内省し、写真とエッセイを組み合わせることによってユーザーの潜在的ニーズを明らかにし、本質的価値を発見する ための手法

    • 作成法
      1. 広めのテーマを設定する
      2. 自分の考えを表現する2枚(本人目線のクローズアップ+全体像)
      3. 写真とテーマの関係性を短いテキストで説明する
    • 効果を高める方法
利用文脈を知る
  • エスノグラフィ (フィールドワーク・行動観察)
    • ユーザーの体験を観察によって把握する方法
      • 不確実性の高いビジネス環境において、機会探索・仮説発見型のアプローチとして期待大
    • かつては参加型デザインだったものが、Contextual Designとして普及
    • 調査のコツ
      • 帰属錯誤(人間は人の行動を根拠なくその人の「種類」によって決めつける)をしないように注意する
      • モノを通してユーザーをみる
      • ものや行為の本質的な意味を解釈するための調査を行う
        • 人は思い込みの世界に生きている(社会構築主義)
      • ラポール形成
        • 調査対象者と打ち解けること
        • ←→共感しすぎると本質が見抜けなくなる
    • 例 : フライ・オン・ザ・ウォール
      • (ハエのように)じっと対象者を観察する
  • コンテクスチュアル・インクワイアリー (文脈的調査) [P.207]
    • 観察とインタビュー
      • 行為を観察し、意味やコツを即時問う
利用文脈を整理する
  • AIEOU

ユーザー選定法

ユーザー背景を理解して 選定(とても重要) する
* リードユーザー法

トライアンギュレーション(混合調査法)

  • 質・量を同時並行的に行う混合調査法
  • 行為の観察だけでなく背景や考えも把握する
  • 観察とインタビューを 組み合わせて 行う
    • 観察した結果の物事を問うことで効果が出る

3.2 ユーザー体験のモデル化と体験価値の探索

ビジネスの都合を持ち込まないことが鉄柵

目的

  • 1のユーザー調査の結果から、発見的・探索的にユーザーの体験価値や本質的なニー
    ズの仮説を導出
    →デザインが実現すべき体験価値を探索する。
  • ユーザーモデルを作成する

※ メンバー全員がユーザーに共感することが重要

手法

モデリング

ユーザーの目標の違いに着目した属性モデリング
  • ペルソナ法 (属性的要素を持っている唯一のモデリング技法) [P.215]
    • 一人のためにデザインをすることで同じ状況の多くの人のニーズを満たそうとするアプローチ
ユーザーの振舞いの違いや時間的変化に着目した行為モデリング
  • タスク分析

  • ワークモデル分析(コンテクスチュアル・デザインより)

  • ジャーニーマップ

    • 妄想で作成してはダメ
    • 複数のタッチポイントをまたがる体験をマトリクスとして考えることが重要
      • 時間変化をとったマトリクス
ユーザーの価値や理解の違いに着目した価値モデリング
  • KA法(価値分析法)

  • 上位・下位関係分析法

  • メンタルモデル・ダイアグラム

  • グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA) ‒ SCAT

汎用的なモデリング技法
  • KJ法

  • シナリオ法(シナリオベースト・デザインより)

ユーザー調査からデザインを導くアプローチ

  • コンテクスチュアル・アナリシス
    対象行動のタスクについて、ユーザーの要求事項を導出する方法

  • コンテクスチュアル・デザイン
    利用文脈を考慮した、システム開発における包括的で一貫したデザイン手法

  • シナリオベースト・デザイン

    • 参考 : Soup Stock Tokyo 「成功することを決めた」
  • ゴールダイレクテッドデザイン
    ユーザーの目的(ゴール)を考慮しながらシステムやサービスを設計する一貫したデザイン手法
    ユーザーのゴールを典型ユーザーとして「ペルソナ」を用いる

    • 対象行為のゴールごとにペルソナを複数作る

    • メリット

      • ペルソナを利用するとわかりやすく、ユーザーの情報を共有しやすい
    • デメリット
      • ペルソナの良し悪しが全てを左右する

ユーザーモデリングの三階層

様々な調査法や分析法は三階層で対応付けられる。
着眼点によって文脈を切る。

  • 属性層
    想定ユーザーの利用文脈

    • アンケート・インタビュー → ペルソナ法
  • 行為層
    新しい文脈 = 実現したい理想のUX

    • ジャーニーマップ
  • 価値層
    体験価値

    • 価値マップ
UX3点セット

!先生おすすめの作成方法
1. 価値マップ を作成
2. 価値を重視した ペルソナ を作成
3. ペルソナを中心とした ジャーニーマップ を作成する

3.3 アイデアの発想とコンセプトの作成

目的

  • アイデアを発想する
  • コンセプトを作成する
    • 下記の三要素を決める
      • ターゲット(ヒト) 価値層
      • ベネフィット(モノ) 行為層
      • シチュエーション(バ) 属性層

手法

体験価値に基づくアイデアを整理する手法
  • UXDコンセプトプレームワーク
  • バリューシナリオ(構造化シナリオ法)
  • ストーリーテリング
  • バリュープロポジションキャンバス
ビジネスのエコシステムに基づくアイデアを整理する手法

エコシステム
… ビジネスがすでに保有している資産を活用する
* ビジネスモデルキャンバス
* リーンキャンバス
* 顧客価値連鎖分析(CVCA)

複数アイデアを統合して整理する手法
  • UXコンセプトツリー
UXコンセプトツリー

アイデアからユーザーの価値のエッセンスを抜き出して骨格を形成し、アイデアの有用性を確立する

  1. 以下の視点で投票されたアイデアをそれぞれ分類してみる
    • 自分がユーザーだったら使ってみたいモノ
      • 各人の理想とするコンテクストを反映
    • 企業として提供したウケそうなモノ
      • 各社のサービス文脈が反映されている
    • 実現勢が高いモノ
      • 技術が反映されている
  2. 提案を元に、満足要因・実現方法・本質的ニーズ・UXコンセプトを考えていく

3.4 実現するユーザー体験と利用文脈の視覚化

目的

  • 経時的な体験の様相を視覚的に表現する
    • コンセプトの製品・サービスが実現するユーザー体験を検討する
  • 製品・サービスの機能的な要件の概要を明らかにする
    • ユーザーのモチベーション、利用環境を含む利用文脈、利用に対する反応を経時的に検討する

※ あえて製品の具体的な機能や操作は具体的にせず、UXに焦点を当てて描く

手法

文章(シナリオ)として表現する手法
  • アクティビティシナリオ(構造化シナリオ法)
    サービス体験を具体的なシナリオにして、コンセプトを徐々に詳細化して製品企画を立案する方法
    各フェーズで「してはいけないこと」が定義されている
    ※ 機能からシナリオを作らない
    →機能に依存する表現を「その仕組み」に置き換えて考えてみる。
    →機能が、「その仕組みが実現する価値」に置き換わる。

    1. バリューシナリオ
      シーンごとに体験価値のみを記述
      製品自体・ユーザーの行為は記述しない
    2. アクティビティシナリオ
      操作は記述しない
    3. インタラクションシナリオ
      操作は記述する
      画面デザインは記述しない
  • 体験談型バリューストーリー

ビジュアルイメージを中心に表現する手法
  • 9コマシナリオ
  • ストーリーボード
  • ジャーニーマップ(TO-BEモデル)
演技で表現する手法
  • アクティングアウト
  • ビデオビジュアライゼーション(体験ビデオ)

3.5 プロトタイプの反復による製品・サービスの詳細化

目的

  • デザイン対象物を明らかにする
    • ソフト・ハードの構成
  • ユーザー視点の評価を組み込んだ反復的な理想のUXを目標にし、開発する製品・サービスのデザイン仕様を明確化する
    • ユーザー視点の評価を組み込み反復的にプロトタイプの作成を繰り返す

※ 必ずしもユーザー参加である必要はない。
“反復する”ことが重要のため、ユーザー参加に時間がかかる場合は”ユーザー視点”で代替する

手法

コンセプト評価の手法
  • コンセプトテスト(シナリオ共感度評価) 「★17:40~くらい」
    • バリューシナリオ
    • シーンシナリオ
  • アクティビティシナリオを用いた評価
  • ストーリーボードを用いた評価
  • バリューストーリーを用いた評価
シナリオからタスクに変換する手法
  • ユーザーストーリーマッピング
  • アイデア・タスク展開
プロトタイプの手法
  • インタラクションシナリオ(構造化シナリオ法より)
  • ペーパープロトタピング
  • ラピッドプロトタイピング
プロトタイプ評価の手法
  • ストーリーボードを用いたウォークスルー評価
    • モチベーションの好循環が実現できるか確認する
  • オズの魔法使い
  • サービスロールプレイ
    • アクティングアウト=ロールプレイ
  • 高速反復テスト評価手法(RITE)
  • ユーザビリティテスト
  • 発話思考法によるプロトコル分析
  • 認知的ウォークスルー
  • ヒューリスティック評価/エキスパートレビュー(専門家評価)
提供の仕組みを検討する手法
  • サービスブループリンと
  • ビジネスモデルキャンバス
  • 顧客価値連鎖分析(CVCA)
デザイン要素を検討する手法
  • カードソーティング
  • スピード・デート法
  • 望ましさ(ディザイラビリティ)テスト

3.6 実装レベルの制作物によるユーザー体験の評価

  • 繰り返し評価する

※ 「5人やればいい」訳ではない

協力者への倫理問題

ユーザビリティテストでは、協力者への配慮が大事 [P.181]

ポイント
  • ユーザー”を”評価するのではなく、ユーザー”に”評価してもらう
  • 「うまく使えないのは製品の側に問題がある」と理解してもらう
    • 安心させるのもUXデザイナーの責務

まとめ

従来型の発想
技術の発想・上から目線
課題解決・機能実現

UXの発想
体験価値の発想・横から目線
信頼感