[人間中心デザイン] ユーザー調査概論(座学)

UXデザイン
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こんにちは。 雑食会社員🐼くま子です
産業技術大学院大学 「人間中心デザイン」の講義メモ

平成30年度 人間中心デザイン
「平成30年度 人間中心デザイン」の記事一覧です。

随時加筆修正していきます


ユーザー調査・分析
2018/11/30 (金)
講師 : 奥泉直子先生
https://okuizumi.jp/


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UX

  • 時間軸
    • 時間軸による人の知覚と反応を知るための調査
  • 環境文脈
    • 環境や文脈が人の知覚と反応に及ぼしうる影響を調査
  • 人の内面
    • 人の知覚と反応の裏にある感性や多様性、可変性といった人の内面を知るための調査

人間中心設計とは(復習)

  1. 利用状況の理解と明確化
    • ユーザー調査
  2. ユーザーと組織の要求事項の明確化
  3. 要求事項を満足させる設計による解決案の作成
  4. 要求事項に対する設計の評価

リサーチ手法

[オススメ]観察とインタビューを組み合わせた調査と分析を繰り返す
…深い洞察が可能になる

※ しっかりとした観察調査を行えるのであれば、行動観察だけで済ますという選択肢もあり

参考
  • https://dead.com/ResearchToolbox.pdf
  • http://www.thoughform.com/wp-content/uploads/2015/04/01_Research_Toolbox.pdf

インタビュー

  • interview = inter(相互に) + view(見る)

ユーザーの行動の裏にある気持ち、その気持ちを持つに至った経緯、その気持ちを支える動機といった”心の声”をユーザー自身に語ってもらうための”場”

インタビュアーの役割

※インタビューされる人 = インフォーマント

場づくり(ラポール形成)

互いを信頼しあい、気兼ねなく、心を開いて語り合える関係(ラポール)をなるべく短時間に作り、最後まで維持する

  • インタビュアー自身がリラックスする
    • 笑顔を絶やさない
    • 清潔感
    • 感じをよくする
  • 名を名乗る
  • 話のネタ探し「シタシキナカニモ衣食住
    • 趣味
    • 仕事
    • 気候
    • 仲間
    • 家族
    • 服装
    • 食事
    • 住まい

舵取り

約束の時間の中で、約束の仕事を終える

  • 自分で時間を確認する
  • 話がずれたとき(年配者は特に)
    • インフォーマント自身が質問を忘れていることがあるので、「質問は○○だったのですが」とリマインドする
  • 時間が足りないから先に進むとき
    • 「話がかわりますが」と明示してから次のタスク(質問)へ移る

深堀り

問いに対する表面的な答えに満足せず、好奇心と共感力を持って、深層心理へ少しずつ掘り進んでいく。
紆余曲折はあって当たり前。

  • コツ
    オープンクエスチョンを豊富に持って盛んに利用したほうがいいが、場合によって使い分ける。

    • オープンクエスチョン
      答えが決まっていない質問

      • 5W1H
      • 「どう感じた?」
      • 「たとえば?」
      • 「ほかには?」
    • クローズドクエスチョン
      答えが選択肢で決まっている質問

      • 「好きですか?」
      • 「つまり○○?」
      • きっかけ
      • 理由
      • 問いかけ
人の認知特性
1. 記憶

短期記憶

インタビューではメモを取る

必要がなくなったときや妨害刺激の影響を受けたときに忘却される記憶。リハーサルにより強化される。

  • インタビュアーもインフォーマントも、インタビュー中に記憶をなくす(質問の主旨を忘れたりする)ことがある。
  • ほかのインタビューと記憶が混在することもある。

長期記憶

人は思い出せないときに、認知的不協和の回避行動で適当な話でごまかして逃げようとする。
→そうさせないためにラポールをちゃんと形成して、聞き方に工夫をする必要がある
  • エピソード記憶
    日時や場所をトリガーとしてたどると思い出しやすい
  • 意味記憶
    一般的な知識や情報。間違えて記憶している可能性もある

    • 間違っていることを発見した時は聞いてみるといい
  • 手続き記憶
    体で覚えた記憶。一度覚えればそう簡単に忘れないが、言語化することが難しい

    • なんでも言葉で聞こうとせず、やってみせてもらう
2. 認知的不協和
逃げられないように質問を工夫する
  • 自分事として語ってもらうようにする

認知的不協和の回避行動


自分の中で事実を捻じ曲げて解釈する。

  • フェスティンガーの実験
    教祖のふりして地球が滅亡すると吹き込んで地球最後の日を迎えてみる
    地球最後の日を教祖と迎えた人は、自分の間違いに気づくものの、より一層教祖にのめりこむ
3. 選択的注意
ある物事に注目していると、それ以外のことへの注意が減る。
聞く対象を明確化するときに用いると効果的に利用できる。
一方で、選択的注意以外のところを質問しないように気を付ける。

4. 認知の相互作用
UIデザインは、ボトムアップ処理を強く作用させて正しい行動に導くことが重要。

下記二つの処理のバランスが大事。

  • トップダウン処理
    頭の中の既有知識や期待に基づく情報処理

    • 想像力を働かせてインフォーマントのトップダウン処理を推測する
  • ボトムアップ処理
    外界からの知覚刺激に基づく情報処理

    • 観察してインフォーマントのボトムアップ処理を理解する
      • エスノグラフィ調査で観察する
      • デプスインタビュー・日記調査
    • 「 左を向け → 」と見せられた時にどっちを向いたらよいかわからなくなる
5. 先入観

互いの先入観が違うために会話がかみ合わないことがある

6. 機能的固着
頭を柔らかくして想像力を働かせる

例 : 画鋲が中に入った箱をツールとして用いることができずに、”画鋲用の箱”として認識してしまう

🍙脱出ゲームはここを突いた問題がよく出るね

  • 枠にとらわない
  • 視野を広げる
7. 知識の呪い
「聞くまでもない」「言うまでもない」で聞き忘れないように気を付ける。
先回りして思い込まないように気を付ける。

自分が知っていることはみんなも知っていると思い込む。バイアスがかかる。
初心を思い出して予測するのは難しい(→★古田先生)

  • Hindsの実験(1999)
8. 確証バイアス
自分の仮説を確かめたいときは、自分の仮説を潰す事象を確認する。

自分が立てている仮説が正しいかもしれない事象ことを確認し続けてしまう。
自分の仮設にそぐわないことを確認する必要がある。

まとめ

  • 認知特性に気を付ける
  • 想像力を働かせる
  • メタ認知力 を高める
    • 読書
      • 「著者の視点(伏線)」
      • 「登場人物の視点」←登場人物に対する想像力
      • 「読者(自分)の視点」
    • 「いい写真=被写体が何を見ているかを想像して」写真を撮る
    • 「観察の練習」

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